僕・久保田雅人(くぼた・まさと)のまわりで起きた「あんなことこんなこと」・・・。
全国でのイベント裏話や身の回りでのささやかな「出来事」をお話していくつもりです。
不定期更新ですが、時々覗いてみてください。
登場人物は、ひょっとしたら、「あなた」かもしれません。

松山の市電 う〜ん、いいですねえ

2006_06_01

 この業界に入って、かれこれ20年以上になる。
その間、一度も、GWに休んだことがない。
毎年、毎年、イベントで全国を飛び回っている。
さてさて、今年は、どんなことになりますことやら。
Let's go WakuWaku!

 今年は、広島市、福岡県糟屋郡、松山市、
もう一度広島市、山口県宇部市、大阪市と西日本を回ってきた。
まずは、広島市内の住宅展示場。
このところ住宅展示場でのイベントが多い。
「つくってあそぼ」を見ているような子供を持っている親御さんたちは、
子供が学校に入る頃になってきたから、
そろそろ家のことを本気で考えようかといった方々が多いそうだ。
そうした親御さんに「ぜひとも来ていただきたい」というのが
住宅展示場サイドの考え方でもあるわけだ。
なるほどねえ。
そう言われてみれば、私自身も今住んでいるマンションを買ったのも
上の2人の娘が小学校に入学した頃であった。
子供がちょうどその年頃になると親って、みんな、同じように考えるんだね。

お次は、福岡県糟屋郡に
広大な敷地に様々なショッピング施設が集まっている所があり、
その中にドーム型のイベント用の建物が設けられている。
そこでショウをやったのだ。
大勢のお客様が見に来てくださった。立ち見まででた。
本当にありがたいことだ。
このショッピング施設には、これまた巨大な駐車場があって、
さらに、敷地内を巡回する無料バスまで走っていた。
それほど広いところなんですよ。
「みなさん、車でしか来れないところですよ」とは、
帰りのタクシーの運転手さんのお話。
「平日なんて、ほとんど人が行かないところ。
普通の路線バスは、1時間に1本あるかないか、ですからね」
なるほどねえ。「あそこ以外に、この辺には、何かないのですか?」と私。
「そうねえ、あとは、パチンコ屋ぐらいかなあ。
時々パチンコ屋から呼ばれることもあるんですよ。タクシーで家に帰るんで」
「へえ。でも、もし、乗せたお客がパチンコでスッテンテンに負けていて、
タクシー代を持っていなかったら、どうするんです?」
「なあに、そんときゃあ、そのまんま、そいつを乗せて、
あそこの警察署に直行ですよ、ハハハハハ」なるほどねえ。

さて、次は、松山市への移動。
福岡空港からローカル便の飛行機で飛ぶ。
実にのどかな、そして、ほのぼのとした空の旅になった。
例えば、東京〜福岡便や東京〜新千歳便のような幹線便だと
乗客も多いせいか、空港係員もどこかピリピリしていて、
殺伐とした雰囲気のなか、乗客もただアタフタと飛んでいくだけ。
だが、今日のような水平飛行時間が3分、
総飛行時間が30分という超ローカル線だと、飛ぶ時間が短いのに、
皆のんびり、ほのぼのしていて空港係員の皆さんの笑顔も
心のこもった本当に温かい笑顔で嬉しかったですねえ。
飛んだと思ったら着陸ってぐらい短い空の旅でした。
松山では、ファミリー向け遊戯施設でのイベント。
ここでも本当に楽しく行えて、私も嬉しいかぎりでした。
松山から船の旅で広島へと戻る。
こんなにきれいな瀬戸内の夕日を初めて見た。
写真だと判りずらいけど「あ〜夕日ってこれなんだよなあ。」と実感した。
旅をしていて思いがけないこんな素敵な風景に出会えるのが嬉しい。
立派な観光施設より何万倍も嬉しいのだ、私としては。

NHK広島放送局前特設ステージでのイベント。
この日の広島は、フラワーフェスティバルの最終日とあって、
市内は、物凄い人出であった。
つい数日前に同じ広島市内でイベントをしたばかりなので、
その時の工作ネタと極力かぶらないように注意して、構成をし直して上演する。

今度は、新幹線とタクシーで山口県宇部市に向かう。
ここでも住宅展示場でのイベントである。

ついに雨に降られた。
この数日、降りそうで、降られずにいたが、ついに雨が降った。
それも、よりによって、野外ステージの日に降ってきた。
このGWツアーの唯一の野外ステージが雨とは。
神様も、もう少し空気を読んでもらいたいもんだ。
午前の部は、なんとか降らずにもっていたが、
午後の部は、土砂降りの雨である。
急遽、ステージの上にテントを建てて、その中で、私はショウを行うことにした。
客席スペースにも、急遽、テントを建て、雨の中、来てくださった皆さんは、
その中から、私のショウを見てもらったのだ。
テントは屋根の部分だけなので、雨も風も容赦なく吹き込んでくる。
子供も大人も皆、雨ガッパを着たまま、傘をさしたまま。
私も横と正面からの雨にずぶ濡れになってのステージショウ。
本当に、やるのも大変だが、見るのも大変という壮絶なショウになった。
この日、来てくださったみなさん、風邪なんかひきませんでしたか?
最後まで見てくださいまして、本当にありがとうございました。

雨の宇部から雨の大阪へ。
GWツアーの〆は、NHK大阪放送局のイベントである。
生憎の雨ではあったが、大勢の方が来て下さった。
今日は、局内の特設ステージなので安心である。

ステージが終って、楽屋に戻った時、身体の芯から、どっと疲れがでてきた。
今年も無事にGWツアーが終った安心感からでてきたものだろう。
本当に疲れたけれど、実に楽しいGWツアーであった。

 



松山観光港から
広島宇品港に行くための高速連絡船


船と私

本当に綺麗な夕日でした
     う〜ん、感動!


夜の広島市電
見づらくて、すみません



テントのステージに、テントの客席
本当に大変でした

GWツアー中には、飛行機、新幹線、JR線、船、地下鉄、モノレール、タクシー...とまあ、いろんな乗り物に乗った。
そんな中で、実際には乗らなかったが、凄く気にいったのが、広島と松山で見た市電である。
市電の走っている街って素敵だと思う。
これまでに函館、鹿児島などで乗ったが、どこも、みんないい街であった。
車に負けることなく、あくまでもマイペースで街を走る。、ゆっくり風景を楽しみながら揺られる市電の旅はいいもんです。
私が子供の頃は、東京都内でもまだいっぱい走っていた。親と一緒に乗って、車掌さんの横に立って、そのまねをしていたことを憶えている。

松山城下を走る市電もいいし、広島市の新型市電もどうして、どうして。「わしらがこれからの主役じゃけんのう。」というりっぱな面構えがまたいい。
そうそう、広島の市電に初めて乗った時の思い出。
大学2年の夏。それはそれは、暑い日でした。私が乗ってる市電に途中から小学生の男の子らが乗ってきた。座席に座るなり、ランドセルからセルロイドの下敷きを取り出し、扇ぎながら、一言、「あっついのう」。しかも、やや低めの広島弁で。「ひぇ〜怖え〜」と思ったのをよ〜く憶えている。
先日、別件で岐阜市に行った時のこと。市内を車で移動中、街の風景をぼんやりと眺めていて、なんとなく違和感を感じた。何かが足りないと。あ!市電がいない!
「岐阜に車が増えて、市電の利用者が減って、赤字続きだったもんだから、廃止になったんですよ。」そういえば、岐阜には、何度も来ているが、市電には一度も乗ってない。「お年寄りや学生さんには便利だったんで、復活を望む声もあるんだけどねえ、引き受けてくれる企業もないんよ。」「でも、線路だって、まだちゃんと残ってるから、大丈夫じゃないんですか?」と勝手な私。「ずいぶん長いこと走らせていないから、もう一度、全部を整備、点検せにゃあならんしそんで、走らせても、また赤字でしょう。それに耐えられるような企業は、ここにはありゃせんのよ。」なるほどねえ。

市電が走る街がいい、なんていうのは、私のような旅人という通りすがりの部外者の単なるノスタルジックな感情でしかないのか?市電を走らせる地元には、地元の事情があって、現実の問題が山積しているんだから。
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