わたし・久保田雅人(くぼた・まさと)のまわりで起きた「あんなことこんなこと」・・・。
全国でのイベント裏話や名物・名産、身の回りでのささやかな「出来事」をお話していくつもりです。
お読み頂いたご感想やご意見もお寄せください。
登場人物は、ひょっとしたら、「あなた」かもしれません

今回は、「北海道の寒さ」について、身をもって感じたこと ... です。



2007_03_01

私は、本当にありがたいことに日本全国あちらこちらにおじゃましております。
  NHKですので、日本国と名が付けば、どこでも映る番組ですので、
全国津々浦々におじゃまさせて頂いております。
そして、なぜか、熱い季節には、南の暑い地方に、
寒くなると寒い地方に呼ばれるのです。
ということで、今年も1月下旬と二月上旬に北海道に行ってきましたので、
今回は、その時のお話です。

  この時期、北海道は、本当に寒い。
そんな北海道内でも指折りの寒さを誇る、
北見市にイベントでおじゃましたのですが、
行く前から、やたらと北海道の天気予報が気になっていました。
今年の東京は例年にない暖冬でこの冬、マフラーも手袋もまだ使ってないので、
引き出しの奥から出して準備万端で飛行機に乗り込んだのでした。

  まずは、女満別空港に飛んで、車で北見市に向かいました。
空港を出た瞬間、私がこの冬で感じた一番の寒風が襲ってきたのです。
まさに北海道ならでわの歓迎方法ですねえ。
その時の温度を示したのが左の写真です。
マイナス16度!、風が吹いていたので体感気温はもっと寒く感じられますよ。
『寒い』を超えて『痛い』のです。
頬を刺すような寒気の風が襲ってきました。さすがに北の大地です。

  空港からは車で一路、北見市内のホテルに。
道路は、見事に除雪されてはいるのですが、
この寒さでうっすらと凍っているのが、車の中からでもわかります。
にもかかわらず、車のスピードのすごいこと!
車の中で私たちは、みんな顔を見合わせた程でした。
私たちの車も早いと思っていたら、私たちを抜いていく車がいるのです。
こんな道でこのスピード!驚きでした。
冬の北海道で東京の人間が運転するのがいかに危険かよくわかりました。
北の道路を熟知した人でなければ、運転するべきじゃあないですね。

  ホテルに荷物を置いたらまずは、北海道を味わいに出かけました。
スタッフともども痛い寒さもなんのその、
食い気の塊となってジンギスカンのお店に雪崩込みました。
冷え冷えの生ビールで乾杯の後は、
自分の焼肉の事だけに全身全霊を賭けた焼肉パーテイになったのです。
写真を見てください、私のこの嬉しそうな顔。
成長をし続ける自分の腹部を省みず食べました、食べました。
うまかったです、ごちそうさまでした。

  ほろ酔い気分で外に出ると、酔いも一瞬で醒める北風が待ってました。
足元に注意しながら、帰る道すがら周りを見渡すと、
なんとも言えないいい景色がありました。
冬の北の街を十二分に見せているたたずまいがそこに広がっていました。
まるで演歌の歌詞に出てくるような風景があったのです。
凍える指でシャッターを切ったのが、その写真です。
ちょっとレトロに撮ってみました。

  翌日も寒さに大きな変化はなく、痛い寒さの中、イベント会場へ。
そんな寒さのなか、たくさんのお客様に来ていただいて感激です。
みなさん、本当にありがとうございました。
終演後、来た道をまっすぐ戻る・・・・わけもなく、ちょっと寄り道を。
なんと、網走まで行って、お寿司をいただきました。
北の海で獲れた魚のオンパレードには、目が潤む程の喜びを覚えました。
飛行機の時間も迫っているにも関わらず、
寸暇を惜しんでのこの食欲には、我がことながら、驚きです。
  飛行機に乗り遅れることもなく、北海道を満腹・・・じゃあなくて、
満喫して、機上の人となったのでした。

  北見から戻ってちょうど一週間後の土曜日、
こんどは、「函館の人」になるべく、羽田空港にいました。
二週連続の北海道イベントは、初めてなのでして、ウキウキものです。
函館では、どうしてもやらねばならぬことが。
それは、「カニを朝市で買ってみたい」ということです。
「なんだ、イベントで行きながら、
結局は観光目的じゃあないの」などとは思わないでください!
いつも大変お世話になっている鹿児島の人に
どうしても北海道のカニを食べてもらいたくて、買いに行きたいのですよ。
南国の人に北の海の幸を、しかも、冬の撮れたてのプレゼントをしたいのでした。

  前日からリサーチをして、お店のめぼしをつけ、いざ、朝市に。
午前6時。まだ夜の暗闇のようななかをものすごい北の海風が吹いていました。
転ばぬように足元を確かめつつ、ヨチヨチ歩きで朝市に到着。
観光シーズンではないので、客はほんの数えるほどしかいませんでした。
そのせいでしょう、朝市は、ある意味で、新宿の歌舞伎町状態となっておりました。
つまり、客引きがすごいのなんの。
「おにいさん、どう、寄ってかない?いい娘(カニ)いるよ。」的な
誘い文句が道の左右から私を攻め立てるのです。
そんな誘いに耳も傾けず、目的のお店に突入する私でした。
リサーチ通り、おじさんは、親切丁寧に話をしてくれて、
私は、試食の結果、ここに決め、
水槽の中から選んだカニたちを送ってもらうことにしたのです、
それも「ゆでたて」で。
自分用には、イクラの醤油づけ(自家製)を買って
ホテルにまたヨチヨチ歩きで戻ったのでありました。
  とりあえずの満足感に浸るのも束の間で、
今度は、役者モード全開でイベントに臨むのです。
今日の会場は、造られてから数十年、大変レトロな佇まいな会館で、
実に、私好みの建物でした。
それでも建物の中は、暖房が行き届いていて、温かいのです。
北海道の建物は、こと暖房に関しては、どこもしっかりしており、
北海道の人は、東京に来て、暖房がちゃんとしていないぶん風邪をひくそうです。
その暖房に負けない熱気に会場は包まれました。

今回は、NHK函館局が主催のイベントで、
90組のご家族に入場当選のハガキを出したところ、
90組全ての皆さんが来てくださいました。
本当にありがたいことです。

  いつの間にか、外は雪、すこし吹雪く降り方でしたが、
みなさんの熱い心は、大熱風になって、私の心に伝わってきました。
みなさん、本当にありがとうございました。また、会いましょうね。
できれば、今度は、ラベンダーの香る頃がいいなあ。



煙に負けず、食欲に負けました


街を吹き抜ける風が『痛かった』


函館の会館の前で
幽かに見えるのが、函館山です



北海道の味の〆は、塩ラーメン!
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