わたし・久保田雅人(くぼた・まさと)のまわりで起きた「あんなことこんなこと」・・・。
全国でのイベント裏話や名物・名産、身の回りでのささやかな「出来事」をお話していくつもりです。
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2014_05_01


 すっかり春めいてきましたねえ、本当にいい陽気になりました。
 この陽気につられたわけでもありませんが、実に久しぶりに個人の旅行に出ました。しかも、かみさんと二人で、一泊二日のささやかな旅行でした。ふと、思ったのですが、かみさんと二人っきりで旅行に出るのは、結婚以来初めてでした。え?ということは、これって新婚旅行ってことでしょうか?わはははは!

 結婚してから早20数年が経っておりますが、一度も二人っきりで旅行に出たことが無かったのです。まあ、結婚した当時は、本当に貧乏でして、もちろん、「つくってあそぼ」はスタートしておりましたが、なかなかうまくいかない時期であったわけです。ですので、収入も少なく、かみさんと共働き状態であったわけです。そんな中で結婚したものですから、二人で生活していくのがやっとといったような状況です。よ〜く考えると、新婚旅行はおろか、結婚式も、結婚指輪もありません。これ本当。しかも、すぐに長女が誕生しまして、ばたばたにスタートした新婚生活だったのです。

 そんなこんなで20数年が経ってしまい、子供たちも成長し、私も50歳を超えてしまったわけでした。そんな日々の中で、ふと空いたスケジュールを利用して、かみさんと旅行に出てみようと考えたわけです。一泊二日しかないので、手軽というわけでもありませんが、伊豆下田に行くことにしました。これといった目的もありません、しいて言えば、温泉につかりたいという程度の目的です。宿と帰りの列車だけを予約をしただけで、後は、全く予定を立てず、気の向くままの二人旅に出たわけです。

 とりあえず、新幹線に乗って、小田原で降りてみました。小田原城を見たいと言い出したかみさんの意向です。平日の午前中は、空いていてゆっくりと見学できました。ちょうど昼時ということで、ふらりと蕎麦屋に入って、昼間っからの二人酒、わあ〜、なんと贅沢なこと!平日ですので、皆さんが働いている時間に飲めるなんて…贅沢ですねえ。

 ほろ酔い気分で、列車に乗って、とりあえず熱海で途中下車。ちょっと見たいものがありまして、何かというと、駅前の旅館の客引きが今でもいるのかなあ?と思ったのです。昔の映画やドラマでよく出てきた、旅館の旗を持って、列車から降りてきたお客さんを自分の旅館に誘うあれです。結果を言いますと、いませんでした。まあ、この時代、いるわけないか。

 ここからは、伊豆半島に向って進んでいきます。列車に揺られるのも飽きてきたところで途中下車。ふと降りたのが、伊豆稲取駅。全く目的も無く降りたのです。駅前の地図でとりあえず漁港の方向を確認して、二人でぶらぶら歩きます。道端に足湯を発見。もちろん、無料の足湯です。しかも、だ〜れもいません。かみさんは、人生初の足湯体験です。漁港を眺めながら足湯に浸る二人でした。う〜ん、贅沢ですねえ。私にとっては、これがたまらない贅沢なのです。いつも時間に追われるだけの移動旅の日々、旅ともいえないただの移動です。そんな私にとっては、こんな風に気ままにのんびりと過ごせる時間がどれだけありがたいことか!自分で降りたい時に下りれて、気の向くままに歩ける時間が本当にうれしいのです。

 しばらくぶらぶら歩いていたら、喫茶店を発見。看板が無いと見過ごしてしまうお店です。覗いてみれば、お客さんはだ〜れもいません。とりあえず、入ってみることにしました。お店の雰囲気、作りはまさに昭和そのもの。私が求めていた喫茶店がここにありました。東京ではまずお目にかかれないような喫茶店です。カウンターにはマスター一人。かみさんと二人でアイスティーを注文。すると、コトンという音がして、何かと振り向けば、マスターが砂時計をひっくり返しております。おー!ちゃんと時間を測って茶葉を蒸しているのではありませんか!すると、今度は、カッツ、カッツという音がします。なんと、アイステックで氷を砕いているではありませんか!久しぶりに見ましたよ、こんな風景。今時の喫茶店ですと、アイスティーを注文すると出来あいのパックに入ったアイスティーを製氷機から取り出した氷の入ったグラスに注いで出すだけ。こんな手間暇かけませんよ。マスターの心のこもったアイスティーをいただきました。私たちがいる間に来たお客は、見るからに常連さんで、なんにも注文出ず、カウンター越しにマスターと世間話をして出ていく人だけでしたよ。これもいい風景でした。かみさんと二人でよもやま話をすること1時間、そろそろ出ようということでお会計をすると、二人で900円でした。安いよねえ、と言いつつかみさんと感動しきりです。伊豆稲取駅から漁港に向って歩くこと約5分、郵便局の隣にある喫茶店「チャーミー」さんは、私のおススメの喫茶店です。

 思わぬ発見に喜びつつ、伊豆下田に向います。ホテルには夕方着でした。夕飯は、ぶらりと入った食堂です。やはり海のものが食べたいということで、サザエの刺身と壺焼き、アジのたたきも注文しました。まあ〜日本酒に合うことこの上なしです。サザエのつぼ焼きですが、小さめのサザエの壺焼きが4個出てきまして、とっても食べやすくて分けやすくてありがたかったです。ここもすいていて、途中から私とかみさんの二人だけになりました。「貸切みたいだね。」と、かみさんは喜んでました。二人で7000円でおつりが来ました。ここも安い!あ!お店に名前忘れました…すみません。

 ホテルの大浴場もほとんど貸切状態です。のんびり浸かって、たっぷり寝て、翌朝は結構贅沢な朝食をいただきました。これで二人で2万円以内です。わははは!ありがたや、ありがたや!伊豆下田に行ったら、黒船ホテルがおススメです。従業員の皆さんも親切ですよ。

 午前中、下田を見物して、土産を買って、列車で東京に戻ってきましたが、もうちょっと居たかったなあ〜というのが、かみさんと二人で同じ思いでした。本当にささやかな贅沢が嬉しい私。ほんのちょっとだけかみさん孝行のつもりの新婚旅行のお話でした。

 






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