わたし・久保田雅人(くぼた・まさと)のまわりで起きた「あんなことこんなこと」・・・。
全国でのイベント裏話や名物・名産、身の回りでのささやかな「出来事」をお話していくつもりです。
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この「日々つれづれ」、これまで23年の舞台裏を、
すこしずつご紹介しています ... 今回は、その31回目!
今回は、この夏の、この暑さ(熱さ)と「モノの価値観」 ... にからめて です ....。


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2012_09_01


 この頃の熱さは異常ですねえ、もう参ってしまいます。

 子供の頃に聞かなかった言葉、「熱中症」「高温注意報」などが日々テレビで聞かされています。
 例えば、私たちが子供のころ、夏のどんなに熱い時でもスポーツ時には、先生や大人から『水は飲むな!』と強く言われましたよね。ところが今は真逆に『水分をたくさん取れ!取れ!』と言われていますし、10分おきに水分補給のための休憩まである時代になりました。それだけ温暖化が進んでるということでしょうか。こんな暑さを子供の頃には体験しなかったのも事実です。何かにつけ、口から出る言葉は、『暑い』。あいさつの最初も『今日も熱いですねえ。』か『今日も熱くなりそうですね。』ばかりの日々ですが、相変わらずの日本国内うろうろ旅に明け暮れております。

 8月中のある10日間に8か所のホテルを渡り歩くなんてこともありました。そんな中で、8月は、『もう一泊したいホテル』に出会いました。こんな思いは実に久しぶりです。京都東急ホテルさん、実に気持ちのいい時間を過ごさせていただきました。お伺いした理由は、東急ホテルさん主催の親子工作教室のためでして、2泊させていただきました。まず、感動したのは、お迎えの車の中で、『先日見たテレビで京都のおいしいパン屋さんを紹介していたんですが・・・あれ?・・・なんていうお店だっけ?確か…し、し、し…』と、いつもの私の中途半端地元情報に『あ、それは、志津屋さんのことでしょう。』『あ!それです!』即座に的確なお答えをいただきました。と、ここまでは普通の対応ですが、私がホテルに着いて、ロビーでお待ちいただいた担当の方とご挨拶をいたしまして、部屋に案内をしていただきました。部屋に入って驚いたのなんの!もうすでに『志津屋さん』のホームページがコピーされて、ちゃんとホテルの封筒に入れられてデスクに置いてあるではありませんか!いったい、いつ、どうやって、ホテルの事務所に連絡して、ホームページをコピーさせておいたのでしょうか、私にはまったくわかりませんでした。お客のさりげない質問に素早く対応し、それをお客に悟られないようにする、その心遣いにいたく感動しました。

 また、私の親子工作教室には、直接的には全く関係のないホテルの方々までが私の顔を憶えていてくださって、廊下ですれ違く方、皆さんが『本日は宜しくお願いいたします。』と声を掛けてくださいましたし、朝食のレストランのマネージャーさんなどは、実に丁寧にごあいさつをいただきました。私も今までにあちこちのホテルのイベントをさせていただきましたが、直接のご担当の方以外にこれほど多くのご挨拶をいただいたことはありません。そして、本番直前には、総支配人様からもご丁寧なご挨拶をいただきました。前日には、副支配人様からもご挨拶をいただき、こっぱずかしいかったのに、当日には、総支配人様からもご挨拶をいただくなんて思ってもみませんでした。逆を言えば、本番直前に思いっきりプレッシャーをかけられたも同然でした(笑)。『ここまでしたんだから、おめえ、手抜きした工作教室は、許さねえぞ!』的無言圧力プレッシャーだったのかもしれませんが(笑)。

 でも、総支配人様からご挨拶をいただくということすら初めての出来事でした。その上、総支配人様から『今夜、夕食をご一緒に』というお誘いまでいただいてしまいました、それも2回も。私ですねえ、こう見えて非常に照れ屋で、ちいさい人間でして、とてもそんな偉い方とのお食事はできない人間です。ありがたいお誘いでしたが、丁重にお断りをさせていただきました。本当にすみませんでした。でも、お誘いをいただき、本当にありがとうございました。その他にもドアーマンの方にも親切にしていただいたり、フロントの方も皆さん実に気持ちのいい方ばかりでした。今度、自腹でお伺いさせていただきたいと思ったホテルは初めてです。もちろん、それなりに宿泊料金も高いでしょうが、それだけの値打ちがあると考えました。

 その二日後に泊まったホテルのひどいこと!フロントには一人の親父がいるだけでして、その親父が『フロント業務なんて今日が初めてだもんね。』とでも言わんばかりの対応で、カギ貰うだけなのに20分程かかりました。そして、部屋に入って、驚いたのが、電話機が無いのです。今時、ホテルの部屋にある電話で外線にかける人もいないでしょうが、もし緊急事態が起きた時にどうやってフロントに連絡しろというのでしょうか。急病の時は、自力で廊下を這ってでもエレベーターに乗って、フロントに来い!ということなんでしょうか?それとも私が電話機の場所がわからなかったのかなあ?もしかしたら、ベットの裏に貼ってあるのか?そんなホテルも初めてでした。その分宿泊料も安くて、無料朝食付きでしたが。このホテルは、私が予約したものではなくて、イベントの主催者さんが予約していただいたものですが、聞くところによれば、この辺りは、ここしかなかったという話でした。

 昨今の風潮で『安ければ、それが一番の選択理由』というのがあります。『安けりゃそれでいい』という考え方が主流です。今回、高いホテルと安いホテルを立て続けに泊まったことであらためて思ったのが、「ものの価値」です。それなりのいい思いをしたいのなら、それなりの対価を払うのが当たり前であって、それを惜しみ過ぎては、決していいものに出会えない。

 ことホテルに限らず、全てに言えることです。子供に買い与える物にも言えます。「どうせ子供が使うもんだからこんなんで十分よ。」って言いながら100均で工作用具を買ってませんか?お菓子を買ってませんか?100均が悪いとは言ってません。子供に与えるのに本当に適しているかどうかを考え直してほしいといっているのです。『安物買いの銭失い』とはよく言ったものです。

 この言葉の持つ重みを私たちは忘れているのでしょう。





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