わたし・久保田雅人(くぼた・まさと)のまわりで起きた「あんなことこんなこと」・・・。
全国でのイベント裏話や名物・名産、身の回りでのささやかな「出来事」をお話していくつもりです。
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2013_10_01


 先日来、話題となっておりますのが、東京オリンピックの開催決定の話ですねえ。

 実は、この東京オリンピックは、ある意味で私には深刻な問題を与えそうなのです。私が住んでおります江東区には、オリンピックの競技場が4つもできるそうです。そのうち3つが新しく作られるそうなんです。「それっていい事じゃあないの?」と思われる方が多いと思いますが、住民にとっては良い事も悪いことも含んでいます。新しく競技場を作るとなれば、建設に伴う特需が来るでしょうし、競技場とを結ぶための交通アクセスの充実もあるでしょう。道路の拡張なり、新しいバス路線の設置や地下鉄の延長と新駅の建設などが十分に考えられます。その建設にあたっては、工事関係者の増加による景気の拡充や雇用の増大などもあるでしょう。
 このように書くと良い事が目立ってしまうのですが、この裏の部分もいろいろと考えられます。例えば、工事期間中の問題。交通規制も十分に考えられるし、交通量の制限もあるだろうし、何より、工事に伴う渋滞が一番の悩みになりそうです。ただでさえ、朝の渋滞にはうんざりしているのにそれに輪をかけた渋滞が起こるわけです。もし、地下鉄の延長が決まれば、その工事のための渋滞が競技場建設とは別に起きるでしょう。

 そういった一連の競技場建設だけではありません。オリンピック本番の観客のためとしたホテル建設が十分に考えられます。ホテルを建てるとすれば、どう考えても駅の近く、交通アクセスの良いところに建てるでしょう。ということは、これによる渋滞や交通混雑が起きるわけですよ。まったくもって面倒なことです。

 そして、これらの建設ラッシュがもたらす影響は、何も交通渋滞だけではありません。これらによって引き起こるであろう土地価格の上昇が気になっております。すでに江東区有明の一帯をかなりの高額で買い占めた企業があります。これをきっかけに今後も土地価格の上昇が十分にあるでしょう。そうなると私が困るのが、固定資産税の上昇です。この手の税金は、土地価格が基本ラインとなって税金の金額が決まるわけですから、今後、十分に上がることが考えられます。おいおい、これ以上税金が上がるのかと思うとぞっとします。

 それから、これはもっと先の不安材料ですが、競技場を作った後の心配です。オリンピックの本番が終わった後のことですが、その競技場の維持費は、どう考えているんでしょうか。東京オリンピックは、コンパクトな開催と既存の施設を活用した開催をうたってましたが、江東区には3つの競技場の新設が盛り込まれてました。しかも、私の記憶に間違いが無ければ、ヨットやカヌーといった競技場の新設だったはずです。その他には、競泳用のプールを作るようなこともいってました。ヨットやカヌーの施設ってそんなに多用されるとも思えないのです。今、これを読んでくださっている方の中で、毎年とは言いませんが、ヨットやカヌーを嗜む方が一体何人いることでしょう。そう考えると、オリンピックが終わった後、さほどに使用されることもなく、毎年の設備維持費だけがどんどん使われていくことになりはしないかが心配です。国や競技団体による支援もあるでしょうが、江東区が負担するであろう維持費が結構あるのでは?と考えてしまいます。それって、住民の納めた税金から支払われるわけですからねえ。めったに使われることが無い施設のために税金がどんどんとつぎ込まれはしないか、今から心配してしまいます。室内プールだったら区民も利用しやすいでしょうが、ヨットやカヌーとなるとそんなには使用されないのでは?と考えてしまう私です。

 いっそのこと、オリンピックが終わったら、取り壊して記念碑だけ建ててもらった方が将来のためではないのかなあ?今でも江東区には、待機児だっているし、区立の幼稚園や保育園が充実しているとは、言い難い部分だってあるのが現実です。となれば、そういったところに税金を使って欲しいと思うのが区民たる私の率直な思いです。競技場の建設に伴う雇用の拡大や観光客の増加は、区民にとっては、いい部分もあるでしょうが、それは、オリンピックが終わるまでのことであって、その後に待ち受ける現実を考えた上での全ての計画があるのかが心配です。だって、その後の負担は、私たち区民に大きくのしかかってくるんですから。いや、私たちの世代だけの問題じゃあなくて、子供たちへの負担にもなりかねないのです。今の子供たちは、将来介護のために多額の負担を負う羽目になっているのにさらにオリンピックがもたらすかもしれない負の部分も負わされるのでしょうか。

 それともう一つの不安です。先日、福島にお伺いした時に聞いたのですが、福島の除染作業は、大手のゼネコンが取り仕切っているそうです。今後、東京オリンピックに伴う建設ラッシュにも当然ながら大手ゼネコンが絡むわけです。そうなると、福島の除染作業を含む復興事業が後回しにされるだろうと住民の方が話してくれました。これも悲しい現実になるんでしょうねえ。例えば、東京オリンピックの工事は、不況に喘ぐ四国や九州の建設業者のみが参加できるシステムに出来ないんでしょうか。東京の大手ゼネコンは、福島に専念させておかないといけないんです。だって、福島の原発が作った電気は、東京都民のためのものであって、福島県民は1ワットも使っていないんですから。






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